まだ飼いたての頃のこと、
散歩していたらバイクが急に停まり、おばちゃんがわざわざ降りて話しかけてきた。
「四国犬じゃろ、そのうち目がつり上がってくるで」
と言い放って、またバイクに戻り、走り去って行った。
ガーン! まだかわいい盛りになんてことを言うんだ、と腹も立った。
でも、その人は四国犬を飼っていた、四国犬はニホンオオカミと交配している、
など考慮すれば、当たり前のことを教えてくれただけなのかもしれない。
しかし、それがどれだけ事実であっても言わないでほしかった、聞きたくなかった。
散歩していて、何度か「オオカミに似てますね」と言われたことがある。
ある時は、登校途中の小5位の男の子に「おはよう」と声をかけると、
「オオカミですか?」
と返してきた。
「オオカミと散歩してるわけないじゃん」
と一瞬、意味不明に陥ったが、後で、
あー、あの子は自然や動物のことをよく知ってる子だったんだな、と思った。
それだけ似て見えたのだろう。
オオカミと一緒に暮らしている――それって、なにかワクワクする。
これも四国犬を飼う楽しみ・・。
「わざとじゃないよ。さっき地面の匂いを嗅いでいたら、葉っぱが付いちゃったんだ」
2歳5か月頃のあづき、まだ目はつり上がってない。
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